1. はじめに
AI創薬は、これまで10年以上・1,000億円以上を要した新薬開発を、劇的に効率化する技術として世界中で注目されています。2024年にはAlphaFold開発者のDemis Hassabis博士らにノーベル化学賞が授与され、国内でも第一三共がAWSと連携し、AIエージェントと実験自動化を統合した次世代創薬基盤の構築を2026年の運用開始に向けて進めるなど、研究の最前線が急速に動いています。
しかし、実際にAI創薬を学び始めようとすると「何から読めばいいのか分からない」という声が多いのも事実です。本記事では、薬剤師・研究者・医療従事者の方が独学でAI創薬を体系的に学ぶために、入門から応用まで厳選した10冊をご紹介します。2026年1月・3月に発売されたばかりの最新刊2冊も盛り込み、Python・R・機械学習・ケモインフォマティクス・構造バイオインフォマティクスを効率よく学べる学習ロードマップとしてご活用ください。
2. AI創薬を学ぶ3つの学習ステップ
AI創薬は広範な領域にまたがるため、闇雲に専門書へ飛び込むと挫折しやすい分野です。まずは全体像として、以下3ステップで学習を進めることをおすすめします。
- ステップ1:Pythonと機械学習の基礎を固める
- ステップ2:ケモインフォマティクス・計算化学の理論を学ぶ
- ステップ3:AI創薬の応用事例・最新技術に触れる
本記事でご紹介する10冊も、この3ステップに沿って配置しています。ご自身のレベルに合わせて、必要な章から読み進めていただければ効率的に学習を進められます。
3. 【入門編】Pythonと機械学習の基礎を固める3冊
まずは機械学習の土台となる基礎書です。創薬分野に特化していなくても、共通言語としてのPythonとアルゴリズムの理解は必須です。
3.1. ゼロから作るDeep Learning(斎藤康毅/O’Reilly Japan)
ディープラーニングの内部構造をPythonでゼロから実装しながら学ぶ、日本のAI入門書における定番的ロングセラーです。誤差逆伝播法や畳み込みニューラルネットワークの動作原理を、数式とコードの両面から理解できます。AI創薬で使うモデルの多くは、本書で扱う基礎技術の延長線上にあります。
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3.2. Pythonではじめる機械学習(Andreas C. Müller・Sarah Guido (著)/中田秀基 (訳)/O’Reilly Japan)
scikit-learnを用いた機械学習の実装入門書です。特徴量エンジニアリングとモデル評価に多くのページを割いており、化合物の活性予測・ADMET予測といった創薬の定型タスクに、そのまま応用できる内容です。
3.3. Pythonで動かして学ぶ!あたらしい機械学習の教科書 第3版(伊藤真/翔泳社)
数式の丁寧な解説と豊富なイラストで、機械学習の初学者でも挫折しにくい一冊です。教師あり学習・教師なし学習の基本概念を、手を動かしながら体得できます。
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4. 【基礎編】ケモインフォマティクスと計算創薬の理論を学ぶ3冊
次のステップは、創薬に特化した計算技術の基礎です。分子の扱い方、記述子、構造予測の考え方を、体系的に学びます。Python中心の書籍に加え、R言語で学べる一冊も押さえることで、統計解析との接続がスムーズになります。
4.1. インシリコ創薬 計算創薬の基礎から実例まで(池口満徳・田中成典・広川貴次/森北出版)
リガンドベース・構造ベースの両アプローチを網羅した、国内で数少ない計算創薬の総合教科書です。データベース検索、タンパク質構造予測、量子化学計算、分子動力学シミュレーション、ドッキング計算まで、AI創薬の周辺技術を一冊で俯瞰できます。
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4.2. ケモインフォマティックス―予測と設計のための化学情報学(J.Gasteiger・T.Engel (著)/船津公人 (訳)/丸善出版)
ケモインフォマティクスの世界的な定番教科書の翻訳版です。分子記述子・類似性指標・QSAR解析など、化合物をデータとして扱うための理論的背景を深く理解できます。
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4.3. Rではじめるケモ・マテリアルズ・インフォマティクス(木野日織 ・ダム ヒョウ チ/近代科学社)
Rユーザー向けに、ケモインフォマティクスとマテリアルズインフォマティクスの実践手法を解説した貴重な日本語書籍です。統計解析を得意とする薬学・医療研究者にとって、普段使い慣れたR言語でデータ駆動型研究に取り組める心強い一冊。Pythonでの事例が多い本分野において、R側からアプローチすることで機械学習の理解をさらに深められます。
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5. 【応用編】AI創薬の最前線に触れる4冊
基礎を固めたら、最先端の研究動向や実装事例を扱う応用書へ進みます。2026年最新刊も含む、日本の創薬研究の「いま」が見える4冊です。
5.1. 実験医学増刊「AI・データ駆動型創薬研究」(柚木克之・山西芳裕/羊土社/2026年3月新刊)
マルチオミクスとケモインフォマティクスを横断的に扱った、本邦初の構成となる最新刊(編:柚木克之・山西芳裕)です。創薬標的の探索、医薬品候補分子の探索と最適化、作用機序の解明と評価まで、AI・データ駆動型創薬の現在地を第一線の研究者が詳説しています。2026年時点の日本の創薬研究の全体像を把握するには、最もバランスの良い一冊です。
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5.2. AlphaFold時代の構造バイオインフォマティクス実践ガイド(富井健太郎/羊土社)
2024年12月発売、羊土社「実験医学別冊 最強のステップUPシリーズ」の一冊で、2024年ノーベル化学賞のテーマ「AlphaFold」を扱う本邦初の実験書です。立体構造データの取得・可視化から、AlphaFoldやColabFoldによる構造予測、分子ドッキング・MDシミュレーション、タンパク質デザインAI、AlphaMissenseによる変異予測まで、創薬研究者が今すぐ使える実践知識が詰まっています。
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5.3. 実験医学 2023年10月号「AlphaFoldの可能性と挑戦」(富井健太郎/羊土社)
実験医学本誌2023年10月号(Vol.41 No.16)の特集で、AlphaFoldによる予測構造モデルの有効性と適用限界、複合体予測やタンパク質デザインへの応用を、第一線の研究者が解説しています。論文だけでは見えにくい「現場での使いこなし方」が129頁に凝縮されており、5.1の実践ガイドと併読すると理解が深まります。
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5.4. 医学のあゆみ 296巻1号「AI×ビッグデータが実現する創薬DX」(医歯薬出版/2026年1月新刊)
医学のあゆみの2026年1月第1土曜特集号で、AI創薬とデータベース、ゲノム医療、臨床データ起点の創薬標的探索、低分子・中分子・抗体の各創薬AI、核酸医薬のデータベース、タンパク質言語モデル、AlphaFoldとcryoTWIN、分子生成AIとシミュレーション連携まで、AI創薬DXの全貌を114頁に凝縮した特集誌です。医療従事者・薬剤師の視点から創薬DXを俯瞰したい方に最適です。
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6. 書籍選びの3つのポイント
10冊すべてを一気に購入する必要はありません。以下の観点で、ご自身に合う1〜2冊から始めてみてください。
- 現在のスキルレベル:プログラミング経験がなければ入門編から、研究者であれば基礎編・応用編から
- 学習の目的:実装スキルを身につけたいのか、業界動向を把握したいのか
- 手を動かせる環境:Jupyter NotebookやGoogle Colab、RStudioなどで実行できる書籍の方が定着率が高い
加えて、書籍と並行してPat Walters氏のPractical Cheminformatics TutorialsやTeachOpenCADDなどの無料オンラインリソースを組み合わせると、学習効率が飛躍的に高まります。
7. まとめ:AI創薬の学習は「ロードマップ」で進める
AI創薬は、機械学習・化学・生物学・薬学が交差する学際的な分野です。だからこそ、一冊の万能書ではなく、複数の書籍を段階的に読み進めることが、最も確実な習得ルートになります。
本記事でご紹介した10冊は、それぞれ異なる角度からAI創薬を支える知識体系を与えてくれます。まずは入門編の1冊を手に取り、実際にコードを動かしながら、ご自身の研究テーマへ応用していく流れをおすすめします。ファーマAIラボでは今後も、AI創薬に役立つツール・論文・実践情報を継続的に発信していきます。
免責事項
本記事は、AI創薬の学習に役立つ書籍の情報提供を目的として作成されたものです。記事の内容は、公開時点で入手可能な情報に基づいていますが、書籍の版・価格・入手可否は変更される場合があります。記事に記載された書籍の内容や、それに基づく学習成果・研究成果について、筆者および本ブログは一切の責任を負わないものとします。実際の創薬研究や臨床応用にあたっては、必ず最新の文献・公式ドキュメントを確認し、専門家の助言を得てください。
本記事は生成AIを活用して作成しています。内容については十分に精査しておりますが、誤りが含まれる可能性があります。お気づきの点がございましたら、コメントにてご指摘いただけますと幸いです。

