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「corte(コルテ)」とは?AIで変わる薬歴作成の最前線と薬局業務の未来

1.はじめに|薬歴作成の負担とAIの可能性

薬剤師の業務には、服薬指導や患者対応といった対人業務に加えて、薬歴(服薬記録)の作成という重要かつ煩雑な事務作業がある。薬歴は、服薬状況の記録だけでなく、患者の安全な薬物療法を継続するうえで不可欠なものであり、その質は医療の質に直結すると言える。

しかし、現場では限られた時間の中で多くの患者に対応する必要があり、薬歴作成に十分な時間をかけられないケースも多い。また、薬剤師の人手不足が深刻化するなか、業務効率化は避けて通れない課題である。

こうした現状に対して、AI技術を活用した「薬歴作成支援ツール」が注目されている。なかでも、「corte(コルテ)」は音声認識と生成AIを組み合わせることで、薬歴作成の効率化と質の向上を同時に実現する、画期的なクラウドサービスとして急速に普及している。

2.corteとは何か|AIが変える薬歴作成の現場

「corte(コルテ)」は、薬剤師の薬歴作成を支援するために開発されたAI搭載のクラウドサービスである。開発元は株式会社corteで、同社は「薬局から、日本を元気に!」という理念を掲げて2023年8月に設立された。

corteは、薬剤師が患者と行う服薬指導の会話をタブレットやスマートフォンで録音し、その音声をAIが自動で文字に変換する。さらに、生成AI(ChatGPTなど)によって要点を要約・抽出し、SOAP形式(Subjective/Objective/Assessment/Plan)に沿って薬歴として出力する仕組みを備えている。

このサービスは、従来の手書きやキーボード入力による薬歴作成と比較して、作業時間を大幅に短縮し、情報の質を均一化・向上させることが可能である。2025年5月時点では、全国1,500店舗以上の薬局で導入されており、国内最多の導入実績を誇るAI薬歴作成支援サービスとなっている。

3.開発企業と専門体制|先進性と実行力を兼ね備えた組織

「corte(コルテ)」は、株式会社corteによって開発された。2023年に創業された同社は、薬局業界の課題解決を目指すスタートアップであり、「薬局から、日本を元気に!」というスローガンのもとで事業を展開している。

代表取締役の升澤裕介氏は東京大学法学部出身で、薬局業務にAIを応用する構想を掲げ、実現へと導いてきた。さらに、技術陣には東京大学工学部出身のAIエンジニアが参画しており、医学領域のアドバイザーとしては京都大学大学院医学研究科の小島准教授(医療×AI分野)が技術顧問を務めている。

また、2025年3月には、株式会社エムティーアイの子会社であるソラミチシステムがcorte社の株式を取得し、開発パートナーとして正式に連携。これにより、医療系ITベンダーとしてのノウハウと、AIスタートアップの革新性が融合し、実用性とセキュリティを両立する製品開発体制が整っている。

4.corteの機能と技術的特徴|AIで実現する効率化と質の向上

「corte」が提供する主な機能は、薬歴作成の各プロセスを一貫して自動化するものである。具体的には以下の通りである:

4.1. 音声認識と自動文字起こし

薬剤師が患者と行う会話を、タブレットやスマートフォンからワンタップで録音し、AIが自動的に文字起こしを行う。高精度な音声認識モデルを採用しており、医療用語にも対応している。

4.2. 要点の抽出と要約

録音された会話から、AIが薬歴に必要な情報のみを抽出し、冗長な会話や関係のない内容をカット。要点を簡潔にまとめることで、短時間で高品質な薬歴作成が可能となる。

4.3. SOAP形式での自動出力

抽出された情報は、主観的情報(S)、客観的情報(O)、評価(A)、計画(P)の構造に従って整理され、標準化された薬歴として出力される。薬剤師による確認・編集も可能である。

4.4. 多様なデバイス対応とシステム連携

PC、タブレット、スマートフォンなど多様なデバイスに対応し、調剤室だけでなく在宅訪問時でも使用可能。出力された薬歴情報は、既存の薬歴システムへコピー&ペーストで容易に連携できる。

4.5. セキュリティとクラウド基盤

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、医療情報の安全性を保証。クラウドベースであるため、インターネット接続環境さえあれば全国どこでも使用できる。

5.薬局現場での効果|薬剤師業務の質と効率が飛躍的に向上

「corte(コルテ)」の導入により、多くの薬局で薬歴作成の時間短縮・質向上・対人業務の充実といった明確な効果が確認されている。

5.1. 薬歴作成時間の短縮

AIによる自動化により、薬歴作成時間が平均70%程度削減された事例も報告されている。これにより、業務時間内での作成完了率が向上し、残業や事後入力が大幅に減少する。

5.2. 対人業務への集中

薬歴作成に追われることなく、薬剤師が患者との対話や服薬指導、フォローアップなど、本来注力すべき対人業務に集中できるようになる。結果として、服薬アドヒアランスの向上や、患者満足度の改善にもつながる。

5.3. 情報の標準化と質向上

生成AIによる自動要約により、薬歴内容が客観的で簡潔に整理され、薬剤師による記載のばらつきを抑制。チーム内での情報共有の円滑化や、薬歴監査の効率化にも寄与している。

6.導入事例|日本調剤での全店舗展開と業界No.1実績

「corte」は2025年5月時点で、全国1,500店舗以上の薬局に導入されており、AI薬歴作成支援ツールとしては国内トップの導入実績を誇っている。

とくに注目されるのは、日本調剤株式会社による導入事例である。同社は全国47都道府県に763店舗を展開する大手薬局チェーンであり、2024年11月より50店舗での先行導入を実施。その効果を評価した結果、2025年5月には全店舗への正式導入が発表された。

この導入決定は、業務効率化だけでなく、薬歴の質と安全性を確保するうえでも「corte」が有効であることを裏付ける事例であり、他の薬局チェーンや地域薬局にとっても導入の指針となっている。

7.サービス価格体系|高性能と導入しやすさを両立

「corte」の価格設定は、AI薬歴サービスとしては非常に導入しやすい水準に抑えられている。2025年5月時点での標準的な料金体系は以下の通りである:

  • 初期費用:148,000円
  • 基本月額料金:10,000円(400回利用まで)
  • 追加利用単価:1回あたり25円

一般的なAIカルテ・薬歴支援ツールの利用単価が1回あたり80〜100円前後であることを考慮すると、約1/3のコストで高機能なAI薬歴支援を導入できる点は大きなメリットである。

また、導入時の負担軽減を目的としたキャンペーンや割引プランも随時提供されており、特に中小薬局にとっては費用対効果の高い選択肢となっている。

8.業界課題へのアプローチ|corteが薬局業界にもたらす変革

「corte(コルテ)」は単なる業務支援ツールにとどまらず、薬局業界が直面する本質的な課題に対する実効的な解決策として機能している。

8.1. 薬剤師不足への対応

少子高齢化により薬剤師不足が全国的に進行するなか、「corte」の導入によって限られた人員でも業務を効率的に遂行できる体制が実現されつつある。結果として、患者一人ひとりへのケアの質を維持・向上できる環境が整備されている。

8.2. 対物業務から対人業務へのシフト支援

厚生労働省が推進する「対人業務重視」政策の流れに対応し、薬剤師がより多くの時間を服薬指導や相談業務に充てられるよう支援する。この点で「corte」は、業務構造の転換に向けたツールとしても評価されている。

8.3. 薬歴の標準化と質の均一化

薬歴は薬剤師によって内容や記載品質にばらつきが生じやすいが、AIが一定基準に沿って情報を整理・記載することで、薬歴の質を均一化し、監査や連携業務の信頼性向上にも寄与する。

9.今後の展望|さらなるAI活用と医療DX推進へ

「corte」は今後、さらなるAI技術の進化と業界ニーズに即した機能拡張を通じて、薬局の未来を支える基盤としての役割を強化していくと見られる。

9.1. 高精度化と多機能化

音声認識や自然言語処理の精度が向上すれば、服薬指導記録だけでなく、処方提案の根拠提示や疑義照会支援など、より高度な業務にもAIが関与できるようになる。

9.2. 他システムとの連携強化

電子薬歴システムや医療機関のカルテとの連携が実現すれば、地域医療ネットワークのハブとしても機能し、薬局の情報中継点としての価値が高まる。

9.3. 薬剤師教育や業務継承への応用

AIによる薬歴作成の透明化・標準化は、新人薬剤師の教育にも応用可能であり、業務継承や研修の効率化といった副次的効果も期待されている。

10.おわりに|AIと共に進化する薬局業務の未来

AI薬歴作成支援サービス「corte(コルテ)」は、薬剤師の業務改革を支援する革新的なツールである。全国1,500店舗以上の導入実績と、薬歴作成時間の大幅な短縮、対人業務の充実といった効果により、医療現場での価値が着実に証明されつつある。

今後もAI技術の発展と共に、薬局業界全体の**デジタルトランスフォーメーション(DX)**を加速し、患者中心の医療を実現する鍵となるだろう。薬剤師がより人に向き合い、専門性を発揮できる未来を、corteは支えている。

免責事項

本記事の内容は、2025年5月時点における公表情報および関係企業の発表資料等に基づき執筆されています。正確性の確保に最大限努めていますが、最終的な判断・導入にあたっては、最新の公式情報をご確認ください。なお、筆者および本記事は、導入結果や効果について法的責任を負うものではありません。

本記事は生成AIを活用して作成しています。内容については十分に精査しておりますが、誤りが含まれる可能性があります。お気づきの点がございましたら、コメントにてご指摘いただけますと幸いです。

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